「最先端の大規模工場を経験したい」と転職を決意
― 普段の業務内容について教えてください。
生産設備の導入、立ち上げを行っています。装置メーカーと装置の仕様を決め、内容を把握し、電気や水、薬液など装置を動かすのに必要なものを理解した上で、ガスをはじめ危険物の届出をしたり、扱い方が法令を遵守しているかを確認したりしながら、北上の工場で設備を立ち上げていくのがおおよその流れです。
立ち上げ期間は数か月を超えることもあり、装置メーカーと相談しながら、立ち上げ期間の短縮を目指すのも大事な役割です。
立ち上げ完了後は、ユーザーである製造部の皆さんが使いやすいように、運用やトラブル対策を考えていきます。実際の装置の動きを見て、次回以降の設備導入時に過剰なスペックを削ぎ落とすなど、環境にも配慮しながら、無駄のない装置を入れられるように努めています。
― なぜ転職先として、キオクシア岩手を選んだのでしょうか?
前職では1年間海外出向をしていたのですが、帰国後さらに長期的な海外出向の話が出たことで転職を考え始めた頃、キオクシアの北上工場建設のニュースを見ました。
前職の医療機器メーカーでも、同じ生産技術職として装置の稼働率を上げたり、良品の歩留まりを上げたりする仕事をしていたので、これだけ大きな工場の内側はどうなっているのだろうと興味を持ちましたね。
また、どのくらい自動化が進んでいるのかという関心もありました。前職の工場も自動化はされていましたが、コンベアラインで人が介入する場面も多かったので、最先端の工場を経験したい気持ちがあったのです。
入社後は実際にウエハーを自動で運ぶ搬送車が工場内を縦横無尽に走っているのを目の当たりにし、希望通り最先端の大規模工場で良い経験ができているのを感じています。
― 前職で培ったスキルや経験は今の仕事にも生きていますか?
海外出向中は品質を上げるために、英語が得意ではないながらも積極的に現場へ行き、とにかく行動に移して前に進むという姿勢で働いていました。その姿勢は今も生かされているかなと思います。
半導体は専門ではなかったので心配もありましたが、職場は質問すれば教えてもらえる環境で、話しやすい雰囲気もあり、やりたいことをどんどんやらせてもらえています。新しく入社した人に対して、特に上司が積極的に声をかけてくれるイメージがありますね。教育体制もしっかりありますし、人を育てる仕組みがあるのを感じます。

製品や装置について、全てを理解していなくてもいい
― 入社してから苦労したことはありますか?
装置メーカーと話す時ですね。今となっては楽しいことなのですが、入社して1年くらいは「無知な自分がこの場にいて、大丈夫だろうか」と緊張していました。実際は装置メーカーも私が新人だと分かっているので気を遣ってくださいましたし、社内も聞けばみんな優しく教えてくれるので、とても助かったなと思います。
もちろん製品や装置について理解していかなければいけないし、何回も同じことを聞いてはいけないとは思いますが、分からないことが悪いわけではないんですよね。上司も「分かってないから聞くんだけど」みたいな感じで周りの人に質問をしていて、今では「何でも完璧に知っている必要はないんだ」と思えるようになりました。
振り返れば、入社当時は勝手に緊張していただけでしたね。今でも分からないことは多くありますが、それに対して気後れすることはもうありません。
― どのような時にやりがいを感じますか?
仕事を任せてもらえている時です。キオクシアという会社があり、他の工場には私より長い期間装置を触ってきた先輩もいますが、若手から新しいアイデアが出て、それによって良い影響を与えられた時はモチベーションが上がります。
最近では、装置を動かすために必要な設備の仕様を決めさせてもらうことが多いです。例えば装置を動かすのに冷水が必要になる場合、工場の水では補えないので専用の設備を装置メーカーと相談しながら決めるのですが、そういうところはほぼ任せてもらっています。
― 仕事をする上で、大事にしていることを教えてください。
引き受けた依頼は早めに終わらせることです。ギリギリに出すと相手も困りますし、早く出せば修正も効きます。転職して最初にお世話になった上司の影響もあり、なるべく期日よりも早く対応することを心がけています。
ただ、あくまで仕事の場面だけですね。本来は夏休みの宿題を最終日にやるタイプです(笑)

目の前だけでなく、先々を見据えた設備導入が求められる
― どのような時に成長したと感じますか?
周りを気遣えるようになった時です。最初は自分の担当範囲内で起きたトラブルの対応で手一杯でしたが、今は少し余裕が出て、別のユニットの困りごとに対し、自分の経験から解決策を提案することもあります。
また、お客さまや地域の方など、キオクシア岩手を見てくださっている人たちのことを意識しながら、導入する装置のことを考えるようにもなりました。省エネ活動を行っている課でもあるので、そういう意識はついたと思います。
企業として環境対策に取り組んでいますので、少しでも消費電力やガスを減らすなど、工場で使う装置による環境への負荷を少しでも小さくしなければいけません。その一方で、最終的に製品を買ってくださるお客さまの納期を踏まえた上で、安定して稼働できる装置を必要数入れる必要もあります。その双方の視点を理解し、目の前の導入予定の装置だけでなく、先々のことも考えながら仕事をしています。
あとは、メーカーの方と話す機会が増えたことで、折衝力や交渉力が向上したと思います。複数のメーカーから装置を選べるのも、この仕事の魅力の一つですね。
― 最後に、今後の目標を教えてください。
自分の部署や課としても、人がアナログにやっている文章作成などの作業をAIやロボットなどを使って自動化したいです。そうやって自分たちのアイデアを注ぐべきところに注力できる状況をつくれればと思っています。
あとは、改めて業務について理解したいですね。今は3人チームのリーダーとしての役割を担っていることもあり、自分の立場に変化があったことで、実務から少し離れている面もあります。今の状態で実務を再度理解することで、より良い仕事ができるようになるかなと思っています。

志望者の方へのメッセージ
キオクシア岩手は、働きやすい会社だと思います。部署に関係なく仕事が進めやすく、コミュニケーションも取りやすい環境です。
年休も取りやすく、私は育休を取得しましたが、否定的なことは一切言われませんでした。男性の育休取得は人それぞれですが、会社規定の中であれば、本人の意思で日数は決められます。
また、私も含め、異業種出身者が多い会社でもあります。話しやすい雰囲気で、分からないことを周りに聞ける文化があるので、畑違いであることは気にしなくていいと思います。興味があれば、ぜひエントリーしてみてください。