フラッシュメモリは、スマホやPC、多くの電化製品などに、情報を記録するために搭載されています。新製品が出るたびにメモリの容量は倍増し、SNSへの投稿やビッグデータの活用など、人類が生成する情報量は、加速度的に増える一方。しかも、まだその一部しか記憶されておらず、大部分の情報は手付かずのままです。フラッシュメモリのマーケットは、今後も成長を続けるでしょう。当社も、生産設備を拡充するため、第2製造棟(K2)の新設準備を進めています。
キオクシア岩手は、品質と生産性の両面でお客さまに満足していただける「世界トップクラスの半導体メモリ製造会社」を目指して、2019年に設立された若い会社。 “世界トップクラス”を実現するために、“誰もが知恵や意見を出し合える風通しの良い職場”をコンセプトにつくられた組織です。たとえば、様々な部署の若手社員が少人数で集まって話す「対話会」。「こんな会社にしていきたい」「社内にこんな施設があったらいいよね」という意見を、部長も交えてフランクに話し合える場を設けています。
私たちの製品は、これから世に出るヒット商品を支えるキーデバイス。岩手県北上市から世界に向けて、最高品質のフラッシュメモリを共に送り出しましょう。
海外に製造拠点を置く企業が多い中、私たちは、日本に工場を持っています。それは、重要な技術を日本に集約することを目的としているからです。
「半導体製品の開発は、研究所ではなく工場内で行われる」と言われています。非常に精密な分野なので、すばらしい技術を生み出しても、量産することが難しい。「100個つくっても1個しか動かないところを、どうやったら10個つくれるようにするか」。装置の導入や装置のレシピと呼ばれる条件を決めていくのが、技術者の腕の見せどころです。
しかし、最先端の製品の製造工程には、いわゆる“教科書”がありません。経験の長い人が絶対的な“正解”を知っていて、若い人たちがそれを真似たり、追随したりする仕事ではないのです。だからこそ、発言者の年次に関係なく、優れたアイディアをどれだけ取り入れられるかが、他社との競争力の源泉になります。
このため、週に1度は、若手が参加する「技術報告会」を開いて、意見交換やアイディア出し、成果発表が十分にできるようにしています。課単位でメンバーが集まり、トピックを決めて発表を行うのですが、若手から出されたアイディアによって、生産性や品質向上につながった事例も多数あります。
キオクシア岩手で活躍している社員の選考やキャリアに、傾向や法則はありません。学生時代の専攻は様々ですし、それを生かして活躍したいと思う人もいれば、まったく違う領域にチャレンジしたいという人もいます。私たちは、そのどちらも尊重します。なぜなら、一つの設備の改善をしようとするとき、いろいろな分野の人がいると、様々な角度からの分析や提案が出てくるメリットがあるからです。
たとえば、フラッシュメモリの回路は、ナノミクロンのオーダーに応えてつくるので、目に見えない“ゴミ”が付着するだけで、不良品になってしまいます。
解決策を考えるとき、化学反応によって不要な反応生成物ができるのを防ぐために、化学式を変更するアプローチが考えられます。メカニカルな部分を改善することで、摩擦によってゴミが出ることを防ぐ方法も考えられます。化学、物理学、機械工学など、いろいろな知見と視点から原因を探り、アイディアを出してみることが、解決策につながります。
また、技術が進歩し続ける分野なので、一度何かを覚えて反復していくというよりも、それを起点に技術の幅を広げ、新しい技術に対応できるように成長していくことが重要です。新しい技術が好きな人、成長を続けたい人には、魅力的で面白い産業だと思います。